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潟山高士 (2019年度入局)
- 2024.10.21 | 先輩の声
脳神経外科に入局をご検討いただいている先生へ
熊本大学脳神経外科所属の潟山高士と申します。脳神経外科に入局を検討いただいている先生の今後の一助になればと思い、以下私の経験も踏まえ脳神経外科に入局までのお話と入局後のお話を少し記載させていただきます。
私が入局する選択肢で一番大きい契機は、父親も脳神経外科医である事です。しかし父親が脳神経外科医だから私も同じ、というだけの気持ちだけで選んだ訳では決してありません。学生の時から脳神経外科は難しいのではないか、大変ではないかと言う一般的なイメージはあり、自分にやっていけるのかと不安はありましたが、やはり脳神経外科が選択肢にある病院で研修を行いました。実際に脳神経外科で研修してみると、脳出血やくも膜下出血、頭部外傷など多数の患者が来院され、とても忙しそうに先生方が連日救急患者対応や病棟業務、外来と追われていました。そんな中でも一つ一つの症例に対して、疾患のみではなく患者さんの生活背景も考慮し、一番良い治療方針を検討する事はとてもやりがいのある診療科だと思いました。脳神経外科は疾患のみの治療だけではなく、後遺症があれば元の生活に戻るためにどうすればいいか、また新しい生活の場をどう整えるかなども対応します。私が研修した病院では忙しいながらも脳神経外科医の先生方は充実した毎日を過ごしているように生き生きされていて、患者さんに対して思いやりのある先生方ばかりで、自分もそんな医師になりたいと強く思うようになり脳神経外科に入局しました。
また、脳神経外科には入局後も色んな選択肢が選べます。脳血管障害や脳腫瘍、脳神経外傷の他にも小児神経外科、機能神経外科、脊髄外科などがあり、血管内治療や内視鏡での治療、放射線治療、またパーキンソン病やてんかん、頭痛や認知症、リハビリテーションなど多数のサブスペシャリティー領域が選べます。学生でも参加できるハンズオンセミナーも開催されています。ハンズオンセミナーでは、頭蓋骨をドリルで削る、顕微鏡下で血管縫合を行う、カテーテル操作を血管模型で行う、研修医で習得すべき手技の基本的臨床手技(EPOC2)にもある腰椎穿刺も模型で経験できます。もしかすると経験する事で自分があまり器用な方ではないと実感し、脳神経外科は難しいかもと思うかもしれません。しかし、入局後に自己研鑽や経験を積む事で出来なかった事が出来るようになり、更に仕事が充実していきます。入局後も手術以外にも分からない事があれば指導医・上級医の先生方が相談にいつでも応じていただき、優しく丁寧に指導いただけます。救命救急に関与する事も多く、自分が手術した患者さんが元気に退院できる時はもちろん嬉しいですが、後遺症が残った時や死亡された時は、本人だけでなく家族にも寄り添って耳を傾けて治療を行います。前述したように疾患のみではなく患者さんやご家族の今後の人生にも関わっていく診療科です。脳神経外科に興味がある、または気になる方はぜひ研修医のローテーションで短期間でも脳神経外科を回って実際の雰囲気や臨床の現場を見てみて下さい。良かったら医局見学や、飲み会参加でもお待ちしています。皆さんの今後の診療科選択の1つの候補として脳神経外科を挙げていただければ幸いです。