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コロナ禍の米国留学

 

私は昨年カリフォルニア州ロマリンダ大学の神経科学研究センター(Center for Neuroscience Research)へ留学しました。
ロマリンダ大学は世界初の小児心臓異種移植を行ったことで特に有名な大学ですが、John H. Zhang教授の主催する当研究室は脳卒中領域、とりわけSAHの基礎研究で世界をリードしてきた研究室で、多い時は40人以上も留学生を抱える程の大きな研究室です。
そのような研究室でもコロナ禍で昨年5月まで研究活動はほぼストップ、留学生もほとんど帰国し、8月の渡米時点では私を含め留学生は4人しかいませんでした。そのような中での留学であったため、教授を含めスタッフとの交流はむしろ多く、実験機材も自由に使うことができ、逆に良かったと思えることもありました。

私の研究テーマはSAHの基礎研究でしたが、内容についてはまた別の機会にお話しすることとし、ここでは研究以外で体験したことを書きたいと思います。
今回の留学は半年と短かったため、はじめから①週末は全て出かける、②公共機関は使わず全て車で移動する、③しかし誘われたら断らず参加すると決めて渡米しました。
3人の子供達は全員同じ現地校に通わせました。
2021年からCA州は無料給食プログラムが開始されたこともあり、朝食も昼食も無償で提供されました。
友達ができたこともあり最後の方は帰りたくないと話すようになり留学してよかったなと思いました。
途中子供も自分も濃厚接触者ということでPCR検査をしたり、熱発してUrgent Careに連れて行くこともありましたが元気に過ごせて良かったです。

私もあちらで3回目のワクチンを接種しました。
あちらでは至る所でCovid-19 Free Testと書かれた旗が立ちドライブスルーで検査が受けられ、またワクチンも無料でスーパーでも接種が可能でした。
マスクをしている人は60%程度で、ワクチンについても個人の意見がありそれを尊重するような風潮でした。食生活では全米で人気のハンバーガー店には行ってみたかったので、片っ端から行きました。
個人的にはFive Guys、In-N-Out burgerが2トップかなと思いましたが、ローカルのハンバーガー店も美味しいところが多いです。
そんなこんなで娘と私は最初の数ヶ月で7kgも体重が増えました(サンドウィッチマンのカロリーゼロ理論は通じませんでした)。

また趣味の釣りとキャンプにも行きました。
CA州の釣りはライセンスが必要ですがweb上でゲットできます。近場の湖へニジマス釣りに出かけましたが収穫は1匹だけでした。それでも帰って料理をして思い出に残る1匹となりました。
最も楽しい思い出は同僚の金丸先生家族とのキャンプで、時には中国人研究者も一緒に行き、結果として7回も行っていました。
米国の釣り・キャンプ用品は安価でしかもWalmartなどのスーパーで十分揃います。またキャンプ場が多く広いため、日本のキャンプ場と異なり密ではありません。Joshua TreeやAnza Borregoなど砂漠のキャンプ場では夜にかなり冷え込むため、寒さで眠れないことも初めて経験しました。

Temeculaのワイナリーを2回ほど訪れ試飲に行ったのも、カリフォルニアワインを知れて良かったです。
米国留学生定番の旅先であるサンフランシスコ、ラスベガス、グランドキャニオン、アンテロープ、デス・バレー、フーバーダムなども行きました。
ちょっとひやっとしたのはFacebook (Meta)本社での出来事で、現在コロナ禍で観光はできなくなっていることに気づかず、Visitor Centerのドアが開いていたので入ってうろうろしていると屈強な警備員3人に囲まれ問い詰められたことでした。

 

 

またロマリンダ大学で毎年行われる無料のクリスマス朝食会に夫婦で参加したり、また研究室ではハロウィンパーティや新年会が開かれました。新年会では寿司と天ぷらを用意していただきとても嬉しく思い出深い経験でした。

一方で時間がないため研究も駆け足でした。
特に最後のひと月は昼夜を問わず研究室へ出向き、最後の発表前は週末の遠出も往復6時間の運転を全て妻がして、自分は助手席でデータをまとめるような状態でした。
しかし短期間であっても、海外で人種も立場も異なる研究者たちと交流できたこと、家族との貴重な時間がとれたこと、異文化に触れ日本ではできないたくさんの経験ができたことは私と家族にとっては大きな財産だと思います。
これも留学をサポートしていただいた同門会の先生方、スタッフの方々のおかげだと本当に感謝しております。

この経験を糧に今後も研鑽を積み何らかの形で医局へ還元していければと思います。
皆様今後とも御指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします。